『舞奈海はさ~』
「なに~?」
視線はそのまま
グランドの方に
背中ごしに
舞奈海がこっちを
見てるのが
分かって
そのまま言葉を
続けた
『透悟のどこを
好きになったの?』
「何急に」
『いや.
聞いたこと
無かったから』
「どこって...
言われてもな~」
ガタっと
椅子を引く音がした
ふいに
隣に立つ人を
感じて隣を見れば
舞奈海も
グランドを覗いている
「あ~あ
シュート外してるし」
苦笑しながら
そぅ言う舞奈海の
視線は透悟に
向けられていて
その表情は
やっぱりどこか
温かい
「透悟の良いとこ
ってよくわかんない」
唐突に言われた
あたしの質問の答え
「だけど悪いとこも
よくわかんない」
黙って聞いている
あたしの耳に
舞奈海の言葉は
静かにゆっくり
入り込んでくる

