「紗羅さ」
『ん?』
「気付いたんじゃ
ない?」
『何に?』
突然話が
よくわかんない
方向に進み始め
あたしは
ついていけない
何に気付いたの?
「自分の気持ち?」
疑問形かと
言いたくなったが
舞奈海の言いたい
ことはその1言で
分かってしまった
多分
あたしの
隼人への気持ち
『..隼人?』
「やっぱり」
そぅ言って笑う
舞奈海
あたしは多分
心底驚いた顔を
してるんだろぅ
だって
あの日以来
あたしの中に
確かに今までとは
違う気持ちが
生まれ始めていた
それは
見過ごしてしまうほど
小さな気持ちで
だけど確かに
あたしの中に
存在していて
たまにあたしを
苦しめる思い
誰にも分からないよぅ
普段通りのあたし
でいたはずなのに
よく気付いたな

