結局20分だったか
30分だったか
時間なんか
わからないけど
多分結構長い時間
余韻に浸ったままで
気づけば後5分で
12時になろうと
していた
時計を見て
慌てて楽器類を
音楽室まで運び
会話もそこそこに
バンドのみんなは
それぞれ
文化祭自体を
楽しむために
駆け出して行った
舞奈海も
アイス買ってくる
と言って
さっき
音楽室を出て
行ったばかり
あたしは1人
静かな音楽室から
窓の外を眺めていた
外では煩いくらい
人の声が響いていて
校内からは
様々な音楽や
客寄せをする
高校生の声や
色んな音が
聞こえてきている
特に使われる
予定もないのか
音楽室だけは
別世界のよぅに
静かだ
ゆっくりとした
時の流れを
何故か肌で感じ
少し寂しさが募る
でもお祭りが
さほど好きではない
あたしは
こんな場所の方が
落ち着く
そっと
窓から離れ
ピアノの前に
腰を下ろした
実は
もぅ1曲
誰にも言わずに
書き上げた
曲がある
どっちを披露するか
迷った末
今日のステージで
演奏した曲に決めた
そっとピアノに
降ろした指で
鍵盤を弾く
ピアノの繊細な音が
少し大き過ぎる程
音楽室に響き
あたしの声が
重なる

