バラードが
始まれば
さっきの盛り上がり
が嘘のよぅに
静かになる会場
一気に襲う
緊張感に
呑まれないよぅに
精一杯の
気持ちを声に乗せて
歌い終われば
拍手と歓声の
嵐だったことに感謝
自然に緩む頬に
葛を入れる
まだ終わりじゃない
「次の曲は
ボーカル紗羅が
作った曲です!」
それぞれが
一呼吸置くなか
ギターの子が
マイクを通して
曲の説明を始める
「実は昨日まで
未完成でした!」
おどけるドラムの子
バンドのみんなも
この状況を
楽しんでいるよぅだ
「さて.準備は良い?」
ひとしきり話終わって
舞奈海がメンバーに
そぅ問えば
あたしを含め
頷いた
ついに始まる

