Milk teA KiiS


20分ほど歩いて
隼人の店の前に
辿り着いた

のは良いものの
なかなか
中に入れない

どぅ考えたって
営業中の看板が
出ている今

お邪魔するのは
迷惑きわまりない

だいたい
こんなときに
隼人に頼るのだって
変な話だ

やっぱり帰ろうか

そぅ思って
来た道を戻ろうと
してみるが

やっぱり入ろうか

なんてまた
扉の前に戻ってしまう

ラチがあかない

深呼吸を1つして
大きなガラス扉を
開いた

鐘の音が鳴り響き
お店の人が出てくる

「いらっしゃいませ」

丁寧に頭を下げる
ウェイトレスさんが
高級店独特の
風貌をしている

『あ....あの』

やっぱり
場違い過ぎるよね

帰ろぅ

そぅ思うのに
足が動かない

店内に流れる
静かな音楽が
さっきの喫茶店を
思わせて
胸が苦しくなった

「お待ちして
おりました.
隼人さんのお友達の
方ですね」

頭を上げた
女の人の言葉に
びっくり

なんで
知ってんのこの人?

「隼人さんから
聞いております.
とても素敵な
女の子が
いらっしゃると
本当に素敵な方で
驚きました.
奥の方にご案内
いたします」

驚いたなんて
言いながらも
決してそんな
そぶりは見せない

その女性に
連れられるがまま

店内の奥の方に
ある個室みたいな
場所に入っていった