『別にあたし―』
「沙罹ちゃんが
彼女じゃ勝ち目ない
もんね」
せっかくあたしが
決意して
吐き出した言葉は
相手に届くことなく
勝手に解釈した
女の子の声に
掻き消された
ってか彼女って何?
誰がいつ誰の
彼女になったの?
まぁそんなこと
どぅでも良いから
あたしの話を
聞こうよ
『だから―』
「ごめんな」
何がごめんなんだよ
わざわざあたしの
声が聞こえないよぅに
声少し大きくした
でしょ金髪頭
否定権はないのね?
あ~なんなの
もぅ良いや
黙ってた方が
早く終わるかも
あたしは黙ってる
ことに決め込んで
ただ2人の話が
終わるのを
立ったまま眺めていた
「じゃぁ...
お幸せにね!」
多分精一杯の
笑顔なんだろぅ
女の子は
なんとも言えない
表情を残し
走り去ってしまった

