Milk teA KiiS


「本当はプロに
なりたいって顔
してんじゃん」

責めるわけでもなく
なだめるわけでもない
その声は
ただただ優しい

「まぁ~簡単じゃぁ
ないわな」

ふと言葉とともに
頭に触れた温もり

隼人の左手が
なぜかあたしの
頭の上にあった

「でも俺紗罹ちゃん
なら出来る気がする」

なんの根拠が
あってそんなこと
言うのだろぅか

くだらない
慰めならいらない

世界を周れば
あたしより歌も踊り
も上手い子なんか
山ほどいるだろぅ

あたしが難しい顔を
したままだからか
隼人は喉で笑って

「だって紗罹ちゃん
歌もダンスも
くそ好きだろ?」

と言ってきた

なんなんだこいつ

それが理由なんて...

あまりにも
ポジティブな考えに
つい笑えた

あたしが笑ったからか
隼人は
一層笑顔になって
そんで今度は
真面目な顔になる

「なれるよ
紗罹ちゃんなら.
ぜってぇなれる.
俺が保証する」

『その保証が
信じらんないから』

「なんでそぅ
可愛くないかな~」

結局また
励まされて
しまったのかも
しれない

やっぱり隼人の
人を見る目ってのは
侮れないみたい

隠し事は
難しいや

それでもなんだか
随分気が晴れた

向き合ってみるのも
悪くないかもしれない