「なんで?」
『なんでって...』
「中間も期末も
トップだったん
だろ?」
『まぁ...』
「てっきり
どっか有名な音大
にでも進むのかと
思ってた」
言葉を濁したのは
自分でも
よく
分からなかったから
なのに隼人の
その1言は
あたしの思考を
ストップさせるのには
十分だった
音大
中学のときから
憧れていた
歌の勉強をしたい
ダンスの技術を
もっと磨きたい
多分今でも
どっかで思ってる
でもその気持ちと
いつも隣り合わせな
不安
なれるのかも
わからないものを
追いかける
先が見えない不安
今だったら
違う道を選んで
なんか仕事して
趣味程度で
終わらせば良い話
いつしか
あたしはその夢を
自分から手放した
怖かった
そんなもの
なれるわけない
そぅ言われるのが
否定されるのが
歌とダンスが
あたしの
全てだったから
それしか
表現の仕方を
知らなかったから
それを否定されたら
何も残らない気がして
安全な道を
進む方に逃げたんだ

