Milk teA KiiS


「紗罹ちゃん?」

バスルームから
出てきた隼人が
あたしを呼ぶ声
が聞こえた

今度はなんだ

そぅ思いながら
メインルームに
移動した

「なんだ
寝たかと思った」

『あんたが
呼んだんでしょ』

なんだとは失礼な

起きてて
悪かったわね
と悪態づきたくなる

ソファーに
座りながら
メールを打って
いたら
ふいに目の前に
グラスを置かれた

視線を上げれば
グラスの中には
ミルクティー

「飲むでしょ?」

いや置かれてから
いらないなんて
失礼なこと
言えないでしょ

なんて思いながらも
調度何か飲もうと
思っていたから
素直に頷いて
グラスに口をつけた

部屋に備え付けの
紅茶のはずなのに

昨日舞奈海とも
飲んだのに

なんでだか
隼人が煎れる紅茶は
また違った香と
味なんだ

紅茶独特の香と
甘いミルクの味

それが
ほかの人より
一層引き立って
すごく美味しい

レストランで
出てくる
ミルクティーより
はるかに

本当に
こぅゆぅ才能は
ずば抜けてる
奴だと思う

まぁそれは本人の
努力のたまもの
だと思うけど

毎朝5時に起きて
仕込みを手伝い

学校から帰れば
また調理の手伝い

次の日の仕込み
までして
寝るのは2時過ぎとか

聞いたときは
心底驚いた