「ねぇ紗罹ちゃん..」
ふいに沈黙を
破って聞こえた
隼人の声は
無惨にも勢いよく
開かれた扉によって
掻き消された
「ちょっと聞いてよ
紗罹~...って」
扉を開けた張本人は
入ってきてそぅそぅ
文句を言いたそぅな
顔をしてるが
あたしたちを見て
固まってしまった
「お邪魔だった?」
なんの邪魔なんだ
むしろあんた
もっと早く
戻って来てよ
『別に..
どしたの?』
あたしがそぅ
言うが早いか
固まってた舞奈海は
途端に般若の
よぅな顔つきに
変わる
「そぅ!聞いて!
透牾ってば
あたしのお菓子
取ったの!」
『は?』
「全くあいつ
何考えてんの?
あたしが大事にしてた
お菓子なのに..」
あ~つまりは
またくだらない
内容で喧嘩したのね
お菓子取ったって
ガキか
ぶつぶつ文句を
言いながら
あたしの隣に
腰を降ろして
タバコに火をつける
舞奈海を
あたしと隼人は
苦笑混じりで
見つめる
『まぁ...
あ.ほらここにお菓子
いっぱいあるし』
「え?あ!本当だ!」
途端に笑顔に
なるんだから
本当子供みたいだ

