「おーるどまいんど?」

陽一はアゴに手をやり首をかしげた。

圭介が口を開く。

「”ババ抜き”を英語だと”Old maid”と言うんだよ。」
「ババ抜きの大会なのかぁ!?そんなんで4億?うさんくせー!」

陽一の言うとおり、確かに胡散臭い大会だと感じた。

しかし、トランプが好きな2人はこの大会に出場したいという感情を抑える事が難しかった。

圭介はネットで、いろんなトランプゲームに熱中している。そしてその腕は確かなものだった。その強さを助けるのは圭介自身の頭の切れにある。

そして、陽一とはネットで知り合った友達だ。年齢も同じですぐに意気投合した。

陽一もカードゲームに関してはかなりの腕で、圭介とも張り合う力を持っている。

「なぁ、俺らの勝負、圭介が今勝ち越してるよな?」

陽一は圭介を見てしゃべった。圭介はその言葉で陽一の言いたいことがわかった。大会で決着をつけたいということだろう。

そして、陽一が喋りつづけた。

「この大会で決着をつけたい。そしてそれに、因縁のあの男にも出会えるかもしれない。」