死のトランプGAME

「しばらく膠着状態が続くようですね、これじゃここにいても仕方ありません。お前達、部屋でも探してゆっくりしましょうか。」

「は、はいっ・・」

圭介はその声のする方に顔を向けた。声は聞こえた、かなり余裕のある参加者だと思った。

５人ほど、メインフロアの出口に向かって歩いていく。


コツッ、コツッっと革靴の音が薄暗いフロアに響く。


圭介は先頭を歩く人を見た。


全身真っ黒なスーツ、オールバックで色の薄いサングラスをかけた男。


その後ろについていくように４人の”不良”という言葉が似合う男達がついていっている。


圭介は先頭を歩く人になにか不気味なものを感じた。


それを皮切りに、参加者に動きがでてきた。

恐る恐るカードを引く者、フロアを出ていく人、その様子を圭介はじっと見ていた。


すると、フロアを出て行く人のなかに、みたことのある人の姿があった。



陽一だ。