「最後に手札を引くこと、ドローについての注意をしておく。」

スピーカーから説明が続いた。

「手札を引かせる時は、ちゃんと相手に手札を見せ、選ばせる事。ババ抜きの最後で、カードを後ろに回してシャッフルし”上か下かどっち?”などと選ばせることあるだろう?あれは厳密に言えばカード隠している方が渡すカードを選ぶ事ができる、つまりイカサマだ。それが無いようにちゃんと相手に見せて相手に選ばせること。」

圭介はなるほど、とアゴに手を当て感心した。

「そして、カードのドローはお互いの了承があってできる。無理やり引く、引かせることはできない。そして、ドロー後に”いらない””返せ”などとドローキャンセルも禁止だ。」


まぁそれがあったらジョーカーは最初所持している人から他に移る事がない、当然のルールだと圭介は思った。


「以上でルール等の説明は終わりだ。なにか質問があれば近くの黒服へ聞け。素晴らしい戦いを期待している。ゲーム開始だ。」


そういうと、スピーカーがブツッと切れる音がした。


とうとうゲームが始まった。