圭介は理解できた。つまり、この参加者から自由にカードを引いて、ペアができたら改札にカードを入れて手札を減らす事ができる。


ペアを作ってその改札に入れるか、誰かが自分の手札を引いて自分の手札が無くなれば、あの改札を抜けてクリアだ。


「クリアの条件は、手札を０にして改札を抜けること。負けの条件は、ジョーカー以外のトランプが全てペアとなって消えた時ジョーカーを持っていた場合、本来のババ抜きと一緒だ。」


つまり、ジョーカーの数、最大で３０人がこのゲームで負ける事となる。大半は助かると気を抜かしそうにならないよう圭介は注意した。油断した奴から負けることとなる。


「そして、禁止事項・注意事項を言おう。」


全員が自分の手札を見ながら沈黙して聞いていた。


「制限時間が無い為、この旅館内を自由に利用していい。風呂・食事・部屋などを自由に使う事ができる。」


それほど長い戦いになるのだろうと圭介は思った。

「しかし、旅館外へ出た者は失格。失格ということは、命が消えることだと思え。」


フロア内がまたざわついた。そして恐怖が広がる。このなかから最大で３０名が死ぬ事となるのだ。


「そして、手札を破棄する事を禁止とする。手札が減る時は、誰かが引くか、ペアになって改札に入れる以外ありえない。」


手札を破り捨てて、はいクリア。これを禁止した、まぁ当然のルールだと圭介は思った。


「他人に手札を見せること、教えること、覗くことも禁止だ。これくらいならバレないとか思うなよ？お前らに死角なんかないからな。」


監視カメラや、時折いる黒服たちが目を光らせているということだ。旅館内にいる限り彼らの手中だと言ってもよい。