「ゲーム参加者は、このフロア内にいる100名だ。それぞれが、4枚か5枚の手札を持っている。」


圭介は場全体に何枚のトランプがあるのか計算しようとしたら、スピーカーからその説明が始まった。


「手札4枚の者が70名、5枚の者が30名、計430枚のトランプが、その場にある。トランプは1~100までの数字がそれぞれ4枚ずつ、それとジョーカーが30枚の合計430枚だ。」


圭介は、1から100までトランプがあることに驚いた。それに驚いたのはなにも圭介だけではなかったようだ。


そしてジョーカーの数が30枚と、とても多い。”Free Old maid”がどんなゲームなのか想像もつかなかった。


「みんな混乱しているようだがそこまで難しく考えなくていい、これはババ抜きだ。それも、誰からでも引いていい自由なババ抜きだ。」


ざわめくフロア内と相反して圭介は沈黙し始めた。ルールを聞き逃さないように神経を尖らせていた。


「このゲームの参加者、誰からでも自由にトランプを引いていい。そしてババ抜き同様、トランプの数字でペアを作ればそのカードを手札から捨てる事ができる。」


圭介は段々とゲーム内容が理解できてきた。これは大人数でやるババ抜き、それも引く順番が無く自由に誰からでも引けるというものだ。


「メインフロア入口の丁度反対側をみろ。」


四方八方向いていた100人のゲーム参加者が一斉に一方を向いた。


そこには、駅の改札口みたいな切符を入れるところがあり、その奥に通路が続いているが先が真っ暗で奥が見えない。


「駅の改札口のような場所があるだろう。ペアになったカードはその改札口のカード入れる所に入れることで手札から減らす事ができる。ちなみに、ペアじゃないカード、もしくはジョーカーを入れたらカードが再び戻ってくる。そしてジョーカーはペアになっても手札から捨てることはできない。全ての手札を無くならせ、その改札を抜けることが出来たらゲームクリアだ。」