そしてナオはその全てを見透かしているかのような瞳で私を見て、言った。


「…生きるのいやになっちゃった?」

どうしてわかるんだろう。それだけで私は涙が溢れそうになった。
エスパーだ。やっぱりナオはエスパーなんだ。

「うん、そーんなかんじ。やっぱナオには敵わないなぁ」
「なぁにそれ。顔見たら、わかるよ」
「なんかね、何がいやとかじゃないの。でも急に気分が落ち込んで死にたいっていうか…あーこのまま消えちゃいたいなとかって思うの。『死ぬ』なんて簡単に言うなって思うかもしれないけど…」
「ううん、そんなこと思わないよ」
ナオはそう言って、こんな私のどうしようもない話に耳を傾けてくれている。

「私さ家族も友達も彼氏もいて、一応始めたばっかだけど仕事もある。はたからみたら幸せそうじゃない?」
「ふんふん」