そんな事を考えながらも玄関を出て、空っぽになった家のドアを閉める。 ちょっと切なくて、"バイバイ"と心の中で小さく呟いた。 「よぉ…大丈夫か」 エレベーターを待っっていると、ハリーが聞いてきた。 何だかんだ、やっぱり優しいんだな。少し心が温かくなる。 「うん。ありがと」 「なら良いけど…あんま無理すんなよ」 ポン、と頭に乗せられた手。 思いがけぬ行動に、心臓が跳ねた。