「山の名はサガルマタだ。ネパールとは国の名だ坊主」
ぶっきらぼうだけど温かい、そんなゴンの解説です。


「その御仁は何がしか外見上の特徴なぞ御座いましょうか?」
ゴンに寄り添う白姫が上品な声で質問しました。


「そろそろサガルマタ。奴が住まう地だ」
ゴンは白姫の質問には答えず、アニフを促します。


「承知致しました。下降しますよ皆さん方」


そして三度、アニフは雪山を飛び回りました。


今回はゴンの指示が的を射た物だったのか、目当ての者はものの二時間程で発見出来ました。


「あ! あれは? あの黄色い毛皮の人は一体!?」
アニフが思わず声を張り上げます。


アニフ達の前方百メートル程先には黄色い毛むくじゃらの者がいました。


悠然と両手を広げています。


「奴だ。俺は奴から白雪花の種を分けて貰ったのだ」
ゴンの声には喜びが滲んでいました。


正解に記すなら黄色い体毛に黒の横縞模様が入った、そんな外見でした。


「雪の中であの色。分かりやすいなあ」
雪ダルマは関心しています。