そう思って、長澤の出勤記録を確認しはじめた矢先───・・。


「・・・・な、長澤さん!? どうしたの!? しっかりして!!」


ここまで通る声が聞こえ、その次の瞬間には・・・・バンッ!


「店長、登坂さん、長澤さんが倒れました!」


バックヤードの扉を蹴り飛ばす勢いで入ってきた安藤君が、顔面蒼白でそう告げた。

・・・・長澤が倒れた? なぜだ!? さっきまで笑っていた奴がどうして倒れる?


「店長!救急車!」

「・・・・」

「何やってるんですか!? 早く救急車を呼んでください!」

「あ、あぁ・・・・」

「安藤君は案内を!」

「は、はい!」


そうして、気づけば俺はバックヤードを飛び出していた。

・・・・無理しやがって。どこまで頑張れば気が済むんだ!バカが。





だけど・・・。


「いい気味よ、長澤さん。歳上に噛み付くからこうなるのよ。これで少しは懲りたでしょうよ」

「そうよねぇ、まったく」

「本当ねぇ」


俺はその声を聞き逃さなかった。