・・・・と、考えあぐねている間に、長澤は顔を真っ青にして言う。
「すみません、登坂さん・・・・あたし、なんか気持ち悪いです・・・・」
こればっかりは俺も焦る。
そういえば次に備えてかなり急いで食っていたっけ・・・・あ、俺だ。
しまった。
ますます青くなる長澤に、何気なく言った自分の台詞を後悔する。
それでもどうにかこうにかトイレに立たせ、すっきりして戻ってくるのを待つ俺。
“急がせて悪かった”と謝らなければ・・・・。
でも───・・。
5分、10分、20分・・・・。
何度もトイレに目を走らせたが、一向に出てくる気配がない。
これにもまた俺は焦る。
男の俺が見に行くわけにはもちろんいかず、ほかの女の人に頼もうにも、大盛り上がりの輪の中に入るのは気が引け・・・・。
「あ、すみません」
「はい?」
「トイレに行ったきり戻ってこない人がいるんですけど・・・・」
倒れていたら大変だからと、通りがかった店員に様子を見てもらうことにした。


