いつもよりぺったんこな頭が、セクシーというか何というか。

当たり前だけど、登坂さんの髪が濡れた場面なんて見たことがないから、いけないものでも見てしまった気分に。

そうして玄関先でつっ立ったまま目のやり場に困っていると・・・・。


「つーか、今の声はなんだよ。ヘコむな〜。化け物かよ、俺は」


登坂さんにフッと笑われた。


「何か用か? ・・・・なんて聞くこともないよな。上がって」

「あ、はい」


そして、何事もなかったかのようにあたしを部屋の中へと促した。

・・・・動揺したり意識したりしているのはあたしだけ、か。

職場にいるときと全く変わらない登坂さんに、ちょっと拍子抜け。





部屋の真ん中の四角いテーブル。

そこに向き合う形で座った、つき合いたての登坂さんとあたし。


「で。襲われにでも来た?」


缶ビールをプシュッと開けると、登坂さんはいきなりとんでもないことを言いだした。

半分当たりで、半分ハズレ。

どちらかといえば、あたしが襲いに来た・・・・みたいな。