「今の長澤なら、何を聞いても絶対に大丈夫だから!やっとたった1つの大事なものが分かったんだから、今度はそれをゆっくり育てていけばいいよ」
麻紀さん・・・・のことだよね。
うん、分かってるよ、モッサ君。
あたしは“うんうん”と首を振って、モッサ君に応えた。
「あのときは勢いまかせで“俺にしとけ”なんて言っちゃったけどさ、ずっと後悔してたんだ。登坂さんの気持ち、今はなんとなく分かるから・・・・」
“うんうん”
また首を振って応える。
「それから・・・・って、また話が長くなるな。やめとこうかな」
「ううん。言って」
話が長くなるのは、どうやら本当に癖みたい。
こんなあたしのためにいっぱい言いたいことがあるなんて・・・・。
余計に嬉しい。
「じゃあ、言うぞ」
「うん」
「しばらく携帯がつながらなかったのは、無視してたわけじゃないから。有給もらって傷心旅行・・・・ってヤツだよ」
「ぷっ!」
どうしちゃったんだろう・・・・。
なんだか、ものすごくおかしい。


