モッサ君は慌てふためいている。
お客さんが少ないとはいえ、立て続けに2度もテーブルにおでこをぶつける男女が店内にいたら、否応なしに注目されてしまう。
さっきのアルバイトの女の子も、きっとこっちを見ている。
モッサ君の慌てっぷりで、なんとなくその様子が分かった。
「・・・・へへっ。やっぱりちょっと痛いかも」
そう言いながら顔を上げれば、耳まで真っ赤になったモッサ君が膨れてあたしを見ていた。
「バーカ。2人して恥かいて、もういられねーじゃねぇか」
「ん?」
「周り。見てみろよ」
唇を尖らせながら、ヒソヒソと言うモッサ君。
言われた通り、そーっと目だけで周りを見てみれば・・・・。
「見られちゃってるね」
あたしが想像したそのまんま、あたしたちは大注目を浴びていた。
視線がものすごく痛い・・・・。
「・・・・ったく。今すぐ出るぞ。こんなの、心臓に毛が生えてても耐えらんない」
「同感です・・・・」
そうして、あたしたちは逃げるようにしてお店をあとにした。


