正直に話そう、正直に・・・・。
あたしの中の意地も、負い目も、黒い部分も全部。
たくさん悩んでたくさん泣いて、傷つけて傷つけられて。
それでも最後に残ったのは、純粋に登坂さんを“好きだ”と思う気持ちだったと。
それはもう、何があっても変わらないことだと・・・・。
それからしばらく、あたしは自分の気持ちと登坂さんに告白されたときのことを話して聞かせた。
自分の力で立ち上がりたい。
頼って寄りかかってばかりじゃなくて、自分の足で立ちたい・・・・。
そんな話しをした。
「───こんなふうに思っているから、あたしも“好きです”って伝えたけど、まだ・・・・なんだ」
相づちを打って聞いてくれていたモッサ君は、コーヒーカップを空にするとため息混じりに言った。
「そういうことだったんだ・・・・」
と。
そして、続けてこうも言った。
「それはいつ自覚するの? 近くで見てくれる人がいて、初めて、自立したとか強くなったって言ってもらって、長澤自身が自覚するものなんじゃない?」


