「マジでよかった。長澤のことだから“もう連絡はしない、会うのもこれで最後”って言うんじゃないかと思って」
「そう・・・・かな」
「そうだよ。だから、長澤がそう言う前に俺が言わなきゃって」
「うん、ごめん。ありがとね」
モッサ君と“友だち”でもなくなるのは辛かった。
本当に都合のいいことだけど、できることなら以前の関係を取り戻したいと・・・・そう思っていた。
だから、モッサ君の気持ちもあたしと同じだと分かったときは、嬉しいというか感動というか。
安心して泣きそうになった。
「じゃあ、今からは“友だち”として話を聞くな。どうしてすぐに登坂さんの気持ちに応えなかったんだ? 俺に負い目?」
時間が経って少し冷めただろうコーヒーを一口飲むと、モッサ君が話題を変えた。
正真正銘“友だちの顔”で。
あたしは、その顔に正直に話さなきゃと思った。
同じようにカフェオレを一口飲んで、それから口を開く。
「負い目・・・・もあったよ。それにフラフラしてるとも思った。すぐに登坂さんに──ってわけには」


