・・・・もしかして、モッサ君が唸っていた原因ってこれ?
あたしの話を聞きたくないからじゃなくて、友だちにも戻れなくなることが嫌だったってこと?
だからわざと登坂さんのことを持ち出して、話をずらそうと・・・・。
「モッサ君」
テーブルにおでこをくっ付けたままのモッサ君に声をかける。
「あたしも同じこと思ってたよ。先に言われちゃったけど、あたしのほうこそ嫌じゃなければ友だちに戻ってください」
「・・・・いいの?」
「もちろん」
驚いた顔で頭を上げたモッサ君にあたしはそう言って笑った。
少し涙が出そう・・・・。
友だちから恋人に発展して、また友だちに戻る・・・・なんてこと、実際にはありえないかもしれない。
それこそ“都合のいいこと”という一言で簡単に片付けられることかもしれない。
男女の友情なんてない、と。
でも・・・・。
「へへっ。よかったぁ〜」
「あたしも」
こうして今、2人で笑いあえていることが、あたしたちの答え。
ハッピーエンドの気がする。


