「う〜ん」
モッサ君はまた唸りはじめた。
あたしの話、聞きたくない?
そんなに?
無理もないけど、だけどやっぱりこれだけは・・・・。
「あのっ!」
「ちょっと待った!」
「・・・・へっ?」
もう一度きちんと聞いてもらおうと思って、唸り続けるモッサ君に少し強めに声をかけた。
でもそれは、もっと強い声で制されて、あたしは気の抜けた声。
・・・・やっぱり嫌だった?
「長澤の話の前に、先に言っておきたいことがあるんだ」
「・・・・うん」
なんだろう。
モッサ君の顔は真剣そのもので、少し怖いくらいに感じた。
「あのな、長澤」
「う、うん」
「俺のことまだ嫌いになっていないんだったら、友だちに戻ってくれないでしょうかっ!」
ガタンッ。
モッサ君はテーブルにおでこをぶつけながら言って、そのままの格好でさらに話を続ける。
「好きだって言っておいて振ったりして、その上友だちに戻ろうなんて都合のいいこと、自分でもふざけんじゃねぇって思うけど」


