「んで。単刀直入に聞くけど、告白されたんだよな? なんでまだつき合ってないのさ」
スプーンでカップの中をぐるぐるとかき混ぜるモッサ君は、訝しげな表情であたしを見た。
納得いかない、って顔だ。
「・・・・話せば長くなるから」
「じゃあ、聞かせて?」
うーん。
こういう話をするために来てもらったんじゃないのに・・・・。
「あのね、モッサ君。今日は違う話なの。留守電に入れたじゃん、笑顔でバイバイしたいって」
普通に“登坂さん”だの“告白”だのって話しているけど、本当にしたいのはその話じゃない。
モッサ君とあたしのこと。
あたしは、意を決してそう話を切り出した。・・・・モッサ君の目がわずかに泳ぐ。
「・・・・いいよ、その話は。まだつき合ってないのは意外だけど、ちゃんと話せたんだろ? それでいいじゃん」
「よくないよ。大事なことなの。まだお礼も言ってないし、謝ってもいないし・・・・」
わがままなのは分かっている。
でも、このままなんて、あたしの性格が許さない・・・・。


