俺のココ、あいてるけど。

 
「でも、まさか未来さんが告白を受けるとはモッサ君も思ってなかったみたいで。だから余計に悩んだり迷ったんじゃないかな・・・・」


だってほら、未来さんって一途でしょ? と、梅村綾は俺の目を真っ直ぐに見て付け加えた。

俺は返事ができず、ただその目を見返すしかできなかった。


「“まだ登坂さんが好きなのに、それを隠して俺とつき合う長澤が痛々しくてもう見ていられない”───だそうです」

「・・・・え?」

「“一緒にいても長澤が見ているのは俺じゃない。傷ついて泣いても、忘れようとしても、できないのが登坂さんだ”」

「・・・・」

「“長澤は意地っ張りだから、こうでもしないと自分の気持ちに素直になれない。だから、悔しいけど長澤を頼みます”───以上、モッサ君からの伝言です」


モッサの声色を真似して低い声でそう言った梅村綾は、言い切って満足そうにまたお茶を飲んだ。

そして、再び俺を真っ直ぐに捉えると、にっこり笑ってこう言う。


「モッサ君にしてはクサい台詞ですけど、綾もそう思うから。モッサ君ですよ、言い出したのは♪」