◆誠治side.*:・゚
「登坂さん、綾とちょっとおしゃべりしません?」
そう言われたのは、午後9時半を少し回った頃だった。
梅村綾のほうから話しかけてくるなんて、ここ最近じゃ全くない。
ましてそれが“おしゃべり”となると、俺が彼女を振る前・・・・8月くらいまでのことだ。
「別にいいが・・・・」
そう返事をするのがやっとで、驚きを隠せなかった。
そんな俺を見た梅村綾は、クスクス笑って言う。
「すごい驚きっぷりですね!別に取って食おうってわけじゃないんですよ、ちょっとしたおしゃべりです♪」
「・・・・あぁ、悪いな。梅村にも嫌われたと思っていたから、まさか話しかけられるとは想像もしてなかったんだ」
正直に言うと、梅村綾はさらに笑って話を続ける。
帰り支度を整えてから事務所に来たのだろう、コートを羽織り頭にはニットの帽子をかぶっていた。
今日は梅村綾も出勤だったのか、自分で組んだシフトなのに全く記憶にないな・・・・。
「まぁね。ぶっちゃけ登坂さんなんて嫌いですけど♪」


