◇未来side.*:・゚
あの衝撃的なシーンを目にした日から、モッサ君とつき合う日々が始まった。
最初は“早く好きにならなきゃ”なんて思っていたけれど。
何日かしてようやく少し笑えるようになった頃、モッサ君から打ち明けられたんだ。
『一緒にバイトをしていた頃からずっと好きだったんだ』
『長澤が幸せそうに笑っているのが、俺の秘かな幸せだった』
『だから、前にも言ったように長澤の気持ちが俺に向くまで待つ』
って・・・・。
素直に嬉しかった。
でも同時に申し訳なくも思った。
そうじゃないかと感じることがなかったといえば・・・・嘘になる。
けれどあたしは、その頃恵介が好きだったし、社員研修で再会してからは登坂さんに片想いだった。
バイト仲間、同じ社員同士、気の合う友だち・・・・そう思うことはできても、恋愛対象としては1度も見たことはなかった。
一人前に傷ついたふりをしているけど、モッサ君の気持ちを考えると、もっと傷ついているのはきっと彼のほう。
あたしは残酷だ・・・・。


