でも、その間も麻紀とは反対に俺の気持ちは晴れないままだった。
別れて、連絡も取らず、お互いにどこに住んでいるかも教え合わなかった俺たち。
麻紀は麻紀で新しい恋をして、俺も俺で新しい恋をして。
俺のことはともかく、麻紀のことだからきっと順調なつき合いをしているんだと思ってきた。
それが、この有様・・・・。
悔しかった。
その彼に「麻紀を何だと思ってるんだ!?」と言ってやりたかった。
歯切れが悪くなったのは、爆発寸前になった怒りをなんとかこらえるためだった。
居所さえ教えてもらえれば、今すぐ殴りに行こうとさえ思った。
だけどそれは、麻紀が一番嫌いな暴力で解決する方法。
たくさん傷ついて、心まで擦り切れて、相手に明らかな非があったとしても・・・・。
それでもきっと麻紀は望まない。
向き合って食事をしている間、俺は改めて自分の幼さを痛感した。
同時に“麻紀はこんなに強い女だったんだ”と圧倒させられた。
やっぱり俺は子どもで、長澤と並んで歩くには程遠いのかもしれない・・・・。


