『で、未来はその歩美さんって人の後ろに何かあるんじゃないかと思ったわけだ』
「うん。・・・・考えすぎかな?」
一通り話し終わったあたしは、小百合に意見を求めた。
人を好きになると、ほんの些細なことにも不安になったり心配になったり・・・・余計なことまで考えてしまう。
『う〜ん。そうだと思うけどな』
「けど、何?」
小百合はなんだか歯切れが悪い。
いつもなら“バカだね!”って言って軽く笑い飛ばすのに。
そしてそれは、大抵があたしの勘違いっていうふうに相場が決まっているのに・・・・。
『なんかさ、最近よく見るっていう夢があるじゃん? それがちょっと私的に引っかかるっていうかなんていうか・・・・』
「う、うん」
やっぱり小百合も・・・・。
あの夢を見るようになって、それで昨日、歩美さんに会った。
メモを渡したときの登坂さんの様子もなんだかおかしかった。
“麻紀さん”
・・・・どうしてだろう。
これから何かが起こりそうな予感が拭いされなくて、それがたまらなく怖い。


