小百合にとっても、こういう噂話は胸が痛むことなんだと思う。
自分の近しい人が・・・・親友が辛い目に遭うのは、また辛いこと。
もし小百合が前のあたしや今の綾ちゃんのような立場になったら、全力で小百合を守りたい。
ううん、守りぬいてみせるんだ。
「それでね、なんとかしたくて登坂さんに相談したんだ、あたし。昨日の夜に・・・・」
『うん、私もそれがいいと思ったところ。未来じゃないけどさ、なんか“登坂さんなら”って思っちゃうんだよね』
「小百合も?」
『まぁね。未来がまた好きになれた人だもん、大丈夫!』
「ありがとう、小百合」
『ううん。それで?』
「あ、うん───・・」
今の一言、すごく嬉しい。
“未来がまた好きになれた人だもん”って、小百合がそう言ってくれるだけで百人力だよ。
それからまた続きを話したけど、あたしの心配事なんてちっぽけに思えてなんだか恥ずかしかった。
それでも小百合は茶化したり笑ったりしないで聞いてくれて。
あぁ親友だなぁ・・・・って、また嬉しくなった。


