その日の夜、苦しくてたまらなくなったあたしは久しぶりに小百合に電話をかけた。
お互いに何かと忙しくて、約３週間ぶりの電話。
『未来じゃん！どう？ 恋は順調にいってる？』
“もしもし”も“久しぶり！”もなく、開口一番そんな台詞。
小百合はいつも直球なんだ。
「うん、それなんだけどさ････」
『どうしたの？ 元気ないね。また新たな障害でも現れた？』
そして鋭い。
「････かどうかは分からないけど心配なことがあるの。どうしても気になっちゃって････」
『いいよ！すっきりするまでとことん話してみな？』
「ありがとう。あのね───･･」
通話が始まって１分も経っていないのに、小百合はさっそく本題に入らせてくれた。
この洞察力というか勘というか、さすが小百合だと思った。
････それを言ったら「見せかけの親友じゃないのよ」なんて言われそうだけど。
でも、本当に感謝しているんだ。
今は頼りっぱなしの情けないあたしけど、いつか小百合にも頼ってもらえる人になりたい。
