「そうですか。それで、店長はなんて・・・・?」

「しばらく様子を見ようって。店長も梅村を評価しているし、長澤のときのようにはさせない、とのことらしい」


そう言うと、登坂さんは煙草を一口吸って火を消した。

その仕草がかっこいい。


「よかったぁ。店長が力になってくれるなら安心ですね」

「そうか? だといいんだけど。あの人、おばちゃんには弱いからな。奥さんが怖いらしい」

「そうなんですか?」

「逆らえないって」

「う〜ん・・・・。それはちょっと心配かも」


店長の弱い部分を知ったあたしは思わず考え込んでしまった。

登坂さんも“困った人だよ”と言いたげに苦笑い。

結局、あたしや登坂さんが綾ちゃんを守るしかないのかな・・・・。


「ところで、俺に何か用事があったんじゃないのか? わざわざ探しに来るなんて、長澤にしては珍しいから」

「あ!そうでした!」


登坂さんと話せて舞い上がってしまって、肝心なことを忘れかけていたあたし。

急いでポケットからメモを取り出し、登坂さんに渡す。