◇未来side.*:・゚



次の日、あたしはさっそく歩美さんから預かったメモを持って登坂さんのところへ行った。

・・・・といっても、店内にも事務所にもいなくて、煙草を吸っているんだと気づくまでに10分近くかかってしまったけど。


「登坂さん」


壁にもたれかかって一服中の登坂さんに声をかける。

煙草を吸う仕草がこんなに似合う人っているのかな・・・・本当にドキドキが鳴りやまない。


「お、長澤か。どうした?」


登坂さんは顔だけあたしのほうに向けて少し笑った。


「あの、昨日は話を聞いてくれてどうもありがとうございました。麦茶のコップ、洗って帰ればよかったですよね・・・・。気が回らなくてすみません」


まずはお礼をしなくちゃ。

あと、コップのことも。


「何言ってんだ、長澤。コップまで気にしてたのか? 気を遣いすぎなんだよ」


あたしがそう言うと登坂さんはフッと吹き出した。・・・・やっぱり。

そして、こう続ける。


「でも話を聞けて助かった。今朝店長にも伝えたから」