「あ、あの・・・・」
びくっ。
突然、後ろから声をかけられた。
恐る恐る振り向くと、そこに立っていたのは女性。
あたしより2歳か3歳か年上に見える、清楚な顔立ちの人だった。
「あの、突然で大変失礼ですが、さっき言っていた“登坂”って、登坂誠治のことですか?」
その人は、どこか切羽詰まった感じであたしにそう尋ねる。
登坂さんの知り合い・・・・かな?
フルネームまで知っているってことは、やっぱりそうだよね?
「・・・・は、はい。そ、そうです」
いきなりでびっくりはしたけど悪い人には見えなかったあたしは、彼女の質問に少しどぎまぎしながら答えた。
「はぁ、よかったです。登坂違いだったらどうしようかと思っていました」
「・・・・そ、そうなんですか」
すると、その人は心からほっとした顔になって胸を撫で下ろした。
登坂さんのプライベートは謎の部分がすごく多い。
こういう綺麗な人と知り合いでも全然おかしくないし、むしろ“そうだよなぁ”と納得しちゃう。
でも・・・・。


