俺は、自分にも言い聞かせるようにそう言った。

長澤が誰を好きになっても、そこにはちゃんと答えがある。

俺かもしれないし、モッサかもしれないし・・・・俺たちが知らない人かもしれない。


長澤が誰を想うか、それは長澤にしか分からないことだ。

でも、少なくとも俺たちは、彼女を悲しませたり裏切ったりはしないと心から誓える。

それが俺たちの真実だ。


「そうですね。俺、登坂さんに負けないように頑張ります!」


少し元気を取り戻したモッサは、拳を握って笑顔を向ける。

爽やかな奴・・・・それが、このとき感じたモッサの新しい印象。


「あ、でも、今日だけは綾ちゃんが心配だからなるべく一緒にいるようにします」


そして、次に感じたのは人情味のある奴・・・・それも追加された。

本当のモッサは、俺なんかが足元にも及ばない優しい奴だった。


「悪い、頼むよ。ありがとな、いろいろと・・・・」

「いえ。腹を割って話せてよかったですよ!」

「俺も」

「はい!」


そうして俺たちの話は終わった。