「登坂さんもそう思いません?」
「そうだな。悪くないよ」
「でしょ?」
「あぁ」
登坂さんとモッサ君も、どういう訳か悪くない・・・・というか、むしろいい雰囲気に。
何がきっかけなのかは分からないけど、笑いながら話す2人を見てあたしも自然と顔が緩んだ。
「よぉし!! 最後はこれ!はい、モッサ君、火つけてね♪」
「オッケー」
取っておいた一番大きな花火。
それを最後にやって、あたしたちは海での1日を締めくくった。
帰りの車はモッサ君と綾ちゃん、登坂さんとあたしの形で乗った。
登坂さんは綾ちゃんの車を運転することになって、例によってあたしは助手席に。
窮屈そうに運転席に入る姿やハンドルを握る姿・・・・それがもう、あたしにはすごくおかしくって。
「笑うなよ。ほら、もう出るから早くシートベルトしろって」
「はい・・・・ふふっ」
口ではそう言う登坂さんも、顔は“まいったなぁ・・・・”って顔で。
恥ずかしそうにアクセルを踏み込んで、モッサ君の後ろについた。


