そう言ったきり何も話してくれなくて、気づけば登坂さんはもう目の前で・・・・。
結局、胸にモヤモヤとした疑問を抱えたまま、それからの午後の時間を過ごすことになった。
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「・・・・ん〜、微妙だなぁ。こんなはずじゃないのになぁ」
「仕方ないよ、まだ明るいもの」
夕方になり陽も傾きはじめた頃、あたしたちは綾ちゃんが持ってきた花火をすることになった。
でも、こう明るいと当然花火は綺麗に咲いてくれない。
綾ちゃんはすごく残念そうに花火を見て小さなため息。
あたしも同じ。残念。
「まぁ、夏は海と花火がセットのようなもんだから。みんなで花火を囲めただけでもよかったんじゃない? そう思おうよ」
「モッサ君・・・・ありがと。そうだよね、そう思ったほうが花火も綺麗に見えるよね!」
「そうだぞ、綾ちゃん!」
綾ちゃんが落ち込むそばから、モッサ君の優しいフォローが入る。
午後からの2人はずっとこんな感じだった。すっかり打ち解けて、いい雰囲気。


