それからしばらく、貝殻を拾ったり波打ち際を行ったり来たりして綾ちゃんと遊んでいたあたし。
すると・・・・。
「ほら!長澤!」
ベシッ!
「いったぁ・・・・」
「うっわ〜。ドジだなぁ、長澤」
ビーチボールをパンパンに膨らませたモッサ君に、顔面に思いっきりぶつけられてしまった。
それを見て、綾ちゃんとモッサ君はお腹を抱えて笑いだす。
向こうに座っている登坂さんも、鼻を押さえるあたしを見て笑う。
どうやらあたし、モッサ君の標的にされたみたい・・・・。
「ひどいよ〜」
そう言ってモッサ君を見上げるあたしに、彼は勝ち誇ったような顔でニカッと笑う。
「昨日の仕返し!それにしても、本当に長澤って鈍いのな!」
「しょうがないじゃん!バカ!」
「ま、そんなところも長澤らしいけどな。見てて飽きない」
「嬉しくないし」
「あれ、怒った?」
「もう知らない。日焼け止め塗ってくるから!」
鼻の頭は痛いし、登坂さんにまで笑われちゃうし・・・・いいとこ無しじゃん。


