ビーチはお盆を過ぎたことと平日だったこともあって、人出はそれほど多くなかった。
小さな子どもの手を引くお母さんの姿や、残り少ない夏休みを楽しむ学生たち。
海上に目を移せば、遠くのほうでサーフィンをする人がちらほら。
ガヤガヤというよりは、ゆっくりとした時間が流れていた。
そんな中で、綾ちゃんは大はしゃぎで砂浜に駆け出していく。
「早く遊びましょうよ!みんな元気がないですねぇ。疲れちゃったんですかぁ?」
そう言って、元気だなぁ・・・・と呆気に取られるあたしたちを煽る。
お昼ご飯を食べるにはまだ少し早い時間で、今は午前11時。
「長澤、ちょっと相手してやってくれよ。俺はボール膨らませてから行くからさ」
「えっ!? あたし? だってまだ日焼け止め・・・・」
「いいって、そんなの。焼けても長澤は白いんだから!」
「そんなぁ・・・・」
根拠もなくモッサ君にそう言われてしまって、泣く泣くあたしはバスタオルを取るはめに・・・・。
こうして、あたしは肌と水着をみんなの前にさらすことになった。


