駐車場に着くと、登坂さんとモッサ君は煙草を吸って待っていた。

あたしに気を遣ってモッサ君は1本も吸わずに運転していたから、きっとニコチンが切れて辛かったんじゃないかな。

吸いかけの煙草を急いでもみ消して、携帯灰皿をポケットに押し込んでいた。





それからすぐ、あたしたちはビーチへ行くことになった。

それぞれにトランクから荷物を出して、モッサ君に手伝ってもらいながら運び出した。


ちょっと悔しいけど、登坂さんは綾ちゃんの荷物持ち。

浮き輪やビーチボールの押し問答にまた胸がチクッとしたけど、なんとか笑顔を取り繕った。


水着の評価は・・・・。

モッサ君は「かわいい」「よく似合ってる」と。

登坂さんには「・・・・まぁ、そこそこ」と言ってもらって。


“登坂さんが褒めてくれた”と思うと無意識に顔がにやけそうになって、そのときあたしはタオルで必死に顔を隠したんだ。

好きな人に見てもらうのは初めてで、嬉しいやら恥ずかしいやら。

それでもやっぱり嬉しさが勝つのは、登坂さんを好きな証拠・・・・。