『それはいいとして。長澤、お前本当に大丈夫なのかよ?』

「へ? 何が?」

『・・・・う〜ん、寝坊したり忘れ物したり、泳げなかったり』


うっ・・・・子ども扱いされてる。


「大丈夫!心配してもらわなくても明日の準備はばっちりです!浮き輪があれば溺れないしっ!」

『ぷっ!カナヅチなのかよ!』

「どうだっていいでしょ!?」

『怒るなって。一応な? 一応。ちょっと聞いただけじゃん』

「ふんっ!」


モッサ君ってば、心配するふりしてやっぱりからかいたいんだ。

あたしだって大人なんですけど!

そりゃ・・・・運動は昔から苦手だったから水泳だってダメだったよ。

でも、海でわざわざ気合いを入れて泳ぐ? 寝坊だって忘れ物だって、絶対にしないんだから!


『本気にすんなよ。久々に長澤に会えるの楽しみなんだから』

「・・・・」

『な?』

「・・・・うん」


なんだか、うまく遊ばれているような気が・・・・しないでもない。

それでもやっぱり海が楽しみで、最後には頷いてしまった。