◆誠治side.*:・゚



この3日間、隣の長澤の部屋からはいつも笑い声がもれていた。

それはとても楽しげで、壁越しでも笑顔が簡単に想像できて、いつの間にか俺まで笑顔にさせる・・・・そんな笑い声だった。

“長澤ってこんなに笑う奴だったんだ”と思ったくらいで、その友だちが羨ましかった。


自分でも変なやきもちだと思う。


“あんなに笑わせられるなんて”と思ったり“独り占めするな”と思ったり・・・・。

あの飲み会のときのモッサに感じた“嫉妬”とまではいかないまでも、やっぱりそう思ってしまう。

向こうは女友達なのに、どうかしてるよな、俺・・・・。





そんな俺は、どうしても気になって長澤に聞いてしまった。

男のバカなやきもち心から・・・・。


「小百合って子、いつまでこっちにいるんだ?」

「あと2日ですけど」

「まだ2日もか」

「あ、すみません!夜中、うるさいですよね・・・・」


でも、長澤は思わず口が滑った本音を“迷惑”と勘違いしてしまって、誤解を解くのが大変だった。