「ん?」


小百合は“早く白状しなさい!”という顔であたしを見ている。


でもね、小百合───・・。


「あたしは楽しくて幸せで夢のような時間だったよ? だけど“登坂さんには迷惑だったのかも”って考えると・・・・」


言っているそばから、ほら。

登坂さんと話した一言一句が頭を駆け巡って急に落ち込んでくる。


子どもみたいにはしゃいで、登坂さんの時間を奪ってしまって。

“つき合わせたお礼”なんて言ったけど、本当はもっと一緒にいたくて、隣にいてほしくて。

小百合の言葉に後押しされて、あたしとしては無我夢中で頑張ったことではあるけれど・・・・。


「あ〜!また未来の悪い癖だ。どうせ“登坂さんの気持ちを考えられなかった”ってへこんでるんでしょ? そんなのいいじゃん!」


あ、言われちゃった・・・・。


「私からは登坂さんもすごく楽しそうに見えたけどな。未来を見る目・・・・っていうか眼差し? すごく優しかったよ?」

「・・・・」


ワイングラスを置いた小百合は、ニコッと笑ってそう言った。