そうして長澤が選んだのは、白地に小さな花がたくさんプリントされた水着だった。
23歳にしては少し幼い・・・・と言えばそうだが、長澤らしい。
顔立ちが小百合という友だちや梅村綾とは反対のタイプだから、派手なのは似合いそうにない。
けして悪い意味ではないし、そんな長澤が俺は好きだからいい。
いいのだが・・・・。
「小百合ったら、自分が派手好きだからってあたしにもそういうのを選ぶんですよ。蛍光色のビキニとか・・・・」
「・・・・ふっ」
そう言って苦笑いをする長澤に、思わず吹き出してしまった。
小百合という子が蛍光色のビキニを勧める姿とそれを着た長澤の姿が同時に頭に浮かんで、申し訳ないが。
「いいんですよ。どうせあたしには似合いませんし・・・・」
「悪い、長澤。もう少し大人になったら着れるはずだ」
「もう十分大人です!」
「すまん」
俺が笑ったことで膨れた長澤は、次に言った微妙なフォローでもっと膨れた。
“彼氏”と言われたからか、俺も長澤もどこか浮き足立った会話になっていた。


