一瞬、何を言われたのか飲み込めない俺に、長澤は続けて言う。
早口で、本当に恥ずかしそうに。
「小百合は行っちゃったし、あたしは1人じゃどれを買ったらいいか分からないし・・・・。あの、登坂さんが迷惑でなければ・・・・」
そして、俺を見上げる。
「・・・・あ、あぁ。ちょうど俺も暇だったし、買い物につき合うくらいなんでもない」
「そうですか!よかった!」
そうして、俺と長澤は予期せぬ休日を一緒に過ごすことになった。
俺も長澤も、きっと自分の休みしか見ていなかったのだろう。
誰かと休みが一緒になって、出かけた先でたまたま会う・・・・なんていうことは、今まで想像したこともなかった。
長澤のあの驚き方から見ても、きっと彼女も想像していなかったのだと思う。
偶然というか、何というか。
だけど───・・。
「登坂さん、このワンピースタイプならあたしも着れると思うんですけど・・・・どうでしょうか?」
そう言って俺に笑いかける長澤を見ると、そんなことはどうでもよくなった。


