「今の、長澤の友だちか?」
「はい、まぁ・・・・。大学からの親友で小百合って言うんですけど、夏休みで会いに来てくれて」
「そう」
「でも、疲れてるみたいで先に部屋に行っちゃいました・・・・」
「そうか」
こんな話の間も長澤の目は泳ぎ、顔は真っ赤。もっと水着の中へ埋もれようとさえする。
長澤も相当恥ずかしいだろうが、俺だってかなり恥ずかしい。
こうして話すのも久しぶりだし、第一ここは水着の店だし・・・・。
「長澤は・・・・なんだ、その・・・・」
「・・・・」
まともに顔を見ると、こっちが顔から火をふいてしまう。
視線を外しながら、言葉を濁しながら、会話を続けようとする。
“一緒に選ぼうか?”
それさえ言えれば、休日の長澤を独り占めできるのに・・・・。
根性無しだな、俺。
すると・・・・。
「と、登坂さん、もし時間があったら、水着選ぶのつき合ってもらってもいいですか?」
これ以上赤くなれないというくらい真っ赤になった長澤が、俺を見ながらはにかんだ。


